一般的なイメージとは一風変わった、まんまるい胴体を持つこけし。こうした形のこけしを「えじここけし」と呼びます。
そして蔵王高湯系は、ぜんぶで11系統あるこけしのタイプのなかでも、比較的新しいこけし。山形県蔵王温泉から誕生した系統です。こけしは、11系統それぞれ色柄形や表情が違い、特徴があるのです。
「えじこ」とはカゴの名前。農作業の最中、子どもを中に入れていたカゴを、「えじこ」と呼びます。「えじここけし」は、そのカゴの中から顔をのぞかせている赤んぼうを表しています。
ちょん、と乗っかった頭は、黙々と農作業をおこなう大人たちを見上げながら、いったい何を考えているのでしょうか。
このこけしのこと
蔵王高湯系えじここけし
作:梅木直美