夏の終わりの8月25日(土)、青森県十和田市で行われた「十和田メディア研究部」。

十和田メディア研究部:日本全国から情報発信に長けた講師をお招きし、講座やワークショップを通じて、青森県十和田市を盛り上げながら効果的に情報発信していく方法を全3回で学んでいくもの

7月28日実施の第1回「情報発信の基礎を学ぶ。好きを追及して収益化する方法」(講師:イケダハヤト、株式会社drip)に続く、第2回目の今回のテーマは「女性クリエイターに学ぶ、クラウドファンディングと場所作り」。

青森県十和田市のトワーレ、メディア研究部

講師は、滋賀県の琵琶湖畔に拠点を置く「hacomidori」「VOID A PART」代表の周防苑子さんと、株式会社Waseiの伊佐知美。

十和田メディア研究部

周防苑子(すおうそのこ)

廃材×植物「hacomidori(ハコミドリ)」立ち上げ人、滋賀湖畔のアトリエ・キッチン・ラボ「VOID A PART(ボイドアパート)」代表。

伊佐知美(いさともみ)

エッセイスト、フォトグラファー。オンラインコミュニティ「#旅と写真と文章と」オーナー。世界中・日本中を旅しながら仕事をして3年目。

20代半ばまで「何者でもなかった」という2人が、「つくり手=クリエイター」になり、ウェブを活用して発信・収益化した方法とは?

1回目の講座と角度を変え、女性クリエイターの情報発信と場所作りについて理解を深め、ワークショップを通して「では自分の場合はどうするか?」を考える回になりました。

この記事は、当日のレポートです。

第2回「十和田メディア研究部」タイムスケジュール

「hacomidori」とは?

青森県十和田市のトワーレ、メディア研究部

まずは、周防さんの活動を聞きながら、発信のヒントを探ります。

周防さんは、20代半ばまで都内で働き、そのあと滋賀県にUターンした人物。地元に戻って暮らし始めた頃は、現在制作しているリユースプロダクト「hacomidori」の構想はなかったそう。

着想のきっかけは、身の回りの「素材」の素晴らしさに気づいたこと。実家が花屋だったことや、親戚が営むガラス工場で廃ガラスの美しさを見つめ直したことから、「ゼロから何かをつくる=hacomidori」というアイディアが生まれます。

「hacomidori」の制作過程

初めて制作した「hacomidori」を撮影し、Facebookに投稿。すると、東京時代の同僚から「素敵だから本格的にやったほうがいい」とコメントが付きました。そこから商品化することを真面目に考え出し、今に至ります。

「hacomidori」の原型「観葉箱」



作りはじめたのは、2014年11月。

現在は制作4年目を迎え、オンラインショップ販売や展示会開催などの通常活動のほか、数々の雑誌取材やテレビ出演、映画セットや人気結婚式場の装飾に採用されるなど、たくさんの方に求められるプロダクトに成長しています。

「VOID A PART」とは?

ではもう一つの事業の柱、「VOID A PART」とは何でしょう?

これは、周防さんの理想を形にした複合施設。「hacomidori」の制作拠点=アトリエであり、かつキッチンとワークスペースを兼ね備えた、たくさんの人が訪れることができる「場所」です。

「VOID A PART」外観
「VOID A PART」外観
「VOID A PART」
アトリエ、キッチン、ラボとしてのワークスペースを兼ね備えている
「VOID A PART」
周防さんがアトリエで作業をしている様子

もともとはコンビニだった建物を、クラウドファンディングを活用して資金を集め、リノベーションして作りました。クラウドファンディングのプロジェクトスタートは、2016年1月。目標額が100万円のところ、目標を大幅に上回った170万円にて、無事達成しました。

「VOID A PART」外観
リノベーション中の「VOID A PART」

成功の秘訣を、周防さんは「ビジネスパートナーを得たことと、SNSの活用術」だと話していました。が、詳細は、講座に参加した方限りということで……!

とにかく、周防さんは、自分の身の回りの素材を生かして「hacomidori」を立ち上げ、「VOID A PART」という場所を作り、仲間や地域と協力しながら、徐々に事業を拡大していきました。

その活動が注目を集め、仲間が増え、結果的に「滋賀県」を訪れるひとが増え、地域が盛り上がっていきます。その過程を共有しながら、参加者さんたちは「では自分の場合はどうだろう?」とヒントを得ながら考えます。

「好きなことを発信して生きる」方法とは?

青森県十和田市のトワーレ、メディア研究部

では今度は、講師が変わって私・伊佐知美。

伊佐は、周防さんと同じくSNSを活用して仕事をしています。大きく異なるのは「場所づくりの発露が、リアルではなくウェブである」こと。

旅と写真と文章と
#旅と写真と文章と 公式サイト

具体的には「#旅と写真と文章と」という名前の「オンラインコミュニティ」を作り、運営しています。直接的にクラウドファンディングを実施してはいませんが、「BASE」というネットショップ開設サービスと、「Slack」というコミュニケーションツールを活用した場作りに挑戦しています。

それを、自身は「長期的なクラウドファンディング」だと捉えています。

ウェブ上の「場作り=コミュニティ作り」が実現できた理由は、周防さんに似ていてやはり「発信していたこと」です。発信方法はさまざまで、メディア運営、ライター活動、SNS活用、イベント企画などが挙げられます。

収益化の秘密は……やはりこちらも講座を受けていただいた方限りということで。とにかく、そんな話を1時間ほどかけながら説明。参加者の方もまた「では自分は、これからどうするか?」を考えていきます。

フリートーク「SNS発信がすべての基礎なのでは?」

青森県十和田市のトワーレ、メディア研究部

いろいろお話しましたが、周防・伊佐の共通認識は「SNSはクラウドファンディングと場所づくりのかなりの助けになりうる」というところ。ということで、フリートークでSNSの重要性についてもう一度話し合い、ワークショップに入ります。

ワークショップ「メイン運用SNSを決めよう」

青森県十和田市のトワーレ、メディア研究部

ここからは、個人ワークとグループワーク。

フリートークの「SNSの選び方は、今盛り上がっているツールかどうかがベース」「自分が継続して発信できそうかどうか」の2点だという話を踏まえ、今後の運用方針を一人ひとり発表するのが目標のワークショップでした。

青森県十和田市のトワーレ、メディア研究部
青森県十和田市のトワーレ、メディア研究部
青森県十和田市のトワーレ、メディア研究部青森県十和田市のトワーレ、メディア研究部

途中、「ピンポイントすぎる、偏った愛の情報発信はどうなのか?」という参加者からの悩みに対し、「レバ刺し」への愛を説いて最終的には書籍発売(『さよなら、レバ刺し~禁止までの438日間』)にまで至った例を、今日一番の熱意と声のボリュームをもってして語る周防さんが、今回の講座のハイライト。

最後は集合写真を撮って、第3回を楽しみにするところで講座は終了。

その後、ワークショップで発表した内容を実践してくださる参加者の方も多く、よい回になりました。

十和田メディア研究部

第2回のレポートは、これくらい。最終回の第3回目は、神奈川県の南端・三崎にて夫婦出版社を営むミネシンゴさん、三根かよこさんを招いて「お互いのスキルを活かす!パートナーとの仕事のつくり方」について講義します。

ではでは次回も、お楽しみに。参加者のみなさま、お疲れ様でした。

おまけ・参加者の方々の感想

文章:伊佐知美
写真:吉田進、伊佐知美

(この記事は、青森県十和田市と協働で製作する記事広告コンテンツです)

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