「音と言葉 “ ヘイデンブックス ”」の店主、林下英治さんに『灯台もと暮らし』を読んでくれている皆さんに、おすすめの本と音楽をチョイスしてもらいました。本を読み、音楽を聴く暮らしはいかがですか?
料理を作る人とその風土の物語『CIRCLE 〜エンボカ京都 料理と風景』
まずおすすめしたいのは、『CIRCLE 〜エンボカ京都 料理と風景』という、料理人・今井義浩(以下、今井)さんが自費出版で作られた一冊です。選んだ理由は、『灯台もと暮らし』さんの香りに似ていると思ったから。
これは料理の本なのですが、ただ単に料理の写真とレシピを紹介した本ではありません。料理人としての今井さんの食材へのこだわりや、食材の作り手である農家さんの存在を感じ取ることができます。食べることを通じて、人と自然との繋がり考えられる一冊です。
釜焼きのピザと野菜料理が名物の人気店「エンボカ京都」というお店から独立するにあたって、これまでの自分の活動と、お店や京都という場所への敬意をていねいにまとめています。
『CIRCLE』というタイトルの由来は「全てが循環していて繋がっていること」。食材を作る農家さんと、食材を活かす料理人と、さいごに食べてくれる人が繋がっていることを表現しているそうです。この本を作るにあたって写真撮影やデザインを手がけたのは、今井さんの学生時代からの仲間たちによるものだと伺っています。同じように独立したばかりの仲間たちと共に一冊の本を編んだところにもストーリーを感じます。
そして、もちろん料理の本ですから、ページ後半には本に登場する料理のレシピが載っています。女性の方だけでなく男性も方にも。さらには、日本語英語の表記なので、世界中の方におすすめしたい一冊です。
ジャズのルーツを描いた『Steal Away』
音楽CDでおすすめしたいのは、チャーリー・ヘイデンチャーリー&ハンク・ジョーンズ『Steal Away: Spirituals, Hymns & Folk Songs』ですね。ジャズのルーツにもなっている、アメリカの古い黒人霊歌やフォーク・ミュージックを取り入れた音楽です。ピアノとベースのみのシンプルな演奏は、とても静かで穏やかで、どんなシチュエーションにも合う音楽です。向かい合って聴くと音楽の強い個性を感じられるし、耳を澄ますと聴こえてくるような、クールダウンしたいときにも聴けます。「音と言葉 “ ヘイデンブックス ”」の店名の由来にもなっているくらいに、ぼくも大好きな音楽です。ぜひ聴いてみてください。
*写真はチャーリー・ヘイデンの『Closeness』
お店の情報
音と言葉 ”ヘイデンブックス”(HADENBOOKS)
住所:東京都港区南青山4-25-10 南青山グリーンランドビル
電話:03-6418-5410
営業時間:12:00~21:00
定休日:月曜日
最寄駅:東京メトロ銀座線、半蔵門線、千代田線「表参道駅」
公式サイト:音と言葉 “ ヘイデンブックス ” HADEN BOOKS:by Green Land