シェムリアップからきた伊佐さんと合流でけたーーーー!わーいわーい新鮮。
宿が可愛い。やばい。やば可愛い。
これから夜の街に繰り出す(=´∀`)! pic.twitter.com/KNrsP0bcAZ— 古性 のち (@nocci_84) 2017年9月7日
バンコク!トンローエリアのかわいいホテルにステイ。隣にいるのは… のちちゃーーーーーん!( ´ ▽ ` )✨ 合流できたうれしいー!
でもふたりともまず端っこノマド💻笑 pic.twitter.com/4RhFyvOXj9— 伊佐 知美 (@tomomi_isa) 2017年9月7日
リモートワークスタイルで働く『灯台もと暮らし』編集部のメンバー。家を手放し、旅をしながら働く編集長。
編集部員自らが率先して新しい働き方を実践することで、「これからは、より柔軟な働き方が企業や個人に開かれていくのではないだろうか?」と、私たちはより強く実感するようになりました。
では、先輩や同志にあたる実践者たちはいま、何を見て、何を想い、どこを目指しているのだろう?
灯台もと暮らしの新特集【場所を問わずに働く】の第1弾は、2016年の6月から世界を巡りながら「旅するライター」として働く、フリーランスのライター・デザイナーの古性のちさんの登場です。
古性のち(@nocci_84)
「旅、ときどき仕事」オーガナイザー・フリーライター。2016年6月からおよそ半年間、世界17カ国26都市を巡りながら「旅するライター」として各国の情報を発信。帰国後も「日本・世界のかわいいを切り取り、届ける」をコンセプトに、旅をしながらフリーランスで仕事をおこなう。旅をしながら働くひとを増やすプロジェクト「旅、ときどき仕事」を立ち上げるほか、旅の魅力を言葉と写真で伝える「旅することばと写真展」主宰。海外と国内を行き来しながら働くスタイルを実践中。
写真/古性のち
聞き手/伊佐知美
取材にご協力いただいた古性のちさんと、灯台もと暮らしの編集長・伊佐知美は、旅の同志。2017年9月には偶然バンコクで合流し、ともに仕事し、夜は街に繰り出す間柄。東京で再会して早々「久しぶり〜!」と、抱き合う2人。取材は、2ヶ月ぶりの再会だったそうで……。
そもそもどうして、旅をしながら仕事をしているの?
旅と「仕事」
伊佐知美(以下、伊佐) まず、ものすごくベーシックなことから伺いたいんですが、のちちゃんは、どうして旅をしながら仕事をしているの?
古性のち(以下、のち) 理由はふたつあって。
ひとつ目は、昔から同じ場所に長時間いつづけることが苦手だったんです。学校の、同じ場所に毎日通い続けるシステムがどうしてもあわなくて。高校生にあがる頃にはもはやほぼ不登校でした。なので「旅をしながら働きたい!」というよりは、結果、消去法で残った選択肢がそのスタイルだった、に近いかもしれません。
ふたつ目は旅のスタイルに関連しているかも。わたしの旅するメインの目的が「自分が心から住みたい場所を探す」こと。だからお金を貯めて旅をするのではなくて、普段の暮らしと同じように、きちんとお金を生み出しながら旅したいんです。
伊佐 ふぅん。じゃあ今は、具体的に旅先ではどんな仕事を? もともとのキャリアは、美容師と、IT企業でのライターだよね。
のち うん、その後フリーランスになったあと、ありがたいことに「一緒に仕事しましょう」と言ってくださる方々がいて。それら一つひとつの仕事やアクションを丁寧に重ねていったものを、旅先にはいくつか持っていった感じかなぁ。
ずっと定期で契約している会社がふたつあって、残りは単発で受けることが多いです。最近は旅に出る前に「○○へいくよ!」と発言すると、それに合わせて仕事が発生するケースも増えてきました。
面白いのが、ライティングの仕事だけではなくて「1日一緒にバーやろう」とか「何か講座やろう」とか、各地の面白いひとたちが、面白い仕事を運んできてくれること。こんな風に、もっともっと行った先で仕事を生みだせるようになったら楽しいなあ、と思っています。
ライティング・デザインの仕事のほかに、旅をしながら働くひとを世の中に増やすためのコミュニティ「旅、ときどき仕事」の運営、「旅することばと写真展」を企画、開催しています。
【旅する写真×ことば展 はじめます】
約半年かけて全国6箇所を旅をしながら、世界の空気とことばを届ける写真展、いよいよはじまります:) 遊びにきてね! | 【写真×ことば】旅する写真展「まるで呼吸をするように旅をしていた」はじめます https://t.co/1P88S63iLj— 古性 のち (@nocci_84) 2017年7月1日
【東京で旅することばと写真展、やります📷】
今年は「旅の空気は旅をしながら届けたい」をテーマに全国をぐるっとしながら写真展を開催してました。ついに12月1日・2日・3日は東京に帰ってきます〜🌎 大きめ会場で、作品数増やしてお待ちしてます。遊びにきてーーっ
詳細▷https://t.co/Z6lG9OlUqz pic.twitter.com/0TTK7Qaw2a— 古性 のち (@nocci_84) 2017年11月15日
旅と「働く場所」
伊佐 働く場所はどういうふうに決めている? 私はテラス席や、海が見える場所での作業が好きなんだけれど。
のち 自由気ままに決めてますよ。いろんなカフェを散策するのが好きで、インスタやピンタレストでWi-Fiが使えるカフェを調べて、ふらっと遊びに行く。
伊佐 国内外問わず?
のち どっちもです。チェンマイに行った時にめっちゃ感動したのが、1階は電源とWi-Fiがあるコワーキングスペースで、2階は猫カフェになっているお店……!
作業に集中して疲れたら猫に癒やされてまた仕事をする。ああいう場所は、日本にないのかなって探していて。
伊佐 うーん。つくったほうが早いんじゃないですか?(笑)
のち 拠点を構えると動きづらくなっちゃうからなぁ……(笑)。
旅と「宿」
伊佐 じゃあ、宿はどうやって選んでいる? ホテル、ゲストハウス、airbnb(以下、エアビー)など選択肢は色々とありますが。
のち 旅先でのエアビーはホテルの宿泊代とそんなに変わらないので、コスパがいいわけではないですよね。けど、そのかわり現地のひとたちと交流できる。
その国にお邪魔してるというより、より暮らすように旅できるので、町やひとや文化、全てを身近に感じたいときはエアビーを選ぶことが多いかも。
のち 逆にゲストハウスのドミトリーは、最近泊まることって少なくなった気がする。伊佐さんは、泊まります?
伊佐 もちろん泊まることはあるけれど、正直「最後の手段」って感じがしているかな最近だと。(ドミトリーは)選択肢にはあるけど、あまり積極的には選ばないですかね……。
のち なんでだろう? 観光や眠るだけのときはいいけれど、ドミトリーは夜に作業できないからかもしれない。暮らすように旅をするなら、1週間くらい宿は固定したほうがいい。
「絶対にここは私の家!」みたいにして、仕事したり暮らしたりしないと、心身がもたない。
移動しながら仕事するのは、やればできるけど必要以上に体力を奪われるので。この消耗って本当に必要かな?って感じにはなるかも。
伊佐 めっちゃわかる。チェンマイにいたときは10日で4つの宿に泊まったんですよ。それはすごく楽しいけど、もう、すごく消耗して……。「なんでこんなに頻度高く、私チェックアウトしてるんだろう?」って思う(笑)。
パッキングしてチェックアウトして、コロコロと荷物を持って20分くらい歩いて、またチェックインして。
のち 宿の仕様を聞いて、Wi-Fiをつないで、ここはちょっと電波が弱くて仕事できないな……みたいになる(笑)。
伊佐 Wi-Fiがつながらないから、じゃあカフェ行こうかな。カフェどこ?調べなきゃ!ってなるようなことの繰り返し(笑)。
のち 旅をしながら仕事をするってなると、ある程度ここが拠点!と思える巣づくりは必要ですよね。
旅と「1日のスケジュール」
伊佐 旅先ではどんなスケジュールで動いている?
のち 土日も稼働してるクライアントが多いので、基本は毎日働いています。
ただ、ずっと働いてばかりいるとせっかく訪れた国で遊べないので、旅先では必ず午前中はきっちり仕事をするって決めていて。午後はふらっと遊びに外に出ています。
のち なので、朝8時くらいから仕事を始めて12時までやって、お昼を食べて夕方まで遊ぶ。
夜7時くらいから夕飯に食べに行ったついでにどこかカフェか宿で仕事して、夜の10時くらいに終えます。
伊佐 私はちょっとスタイルが違うかも。天気のいい日は朝日と夕焼けとマジックアワーを観たいので、夕焼けの時間帯は屋外にいるかな。
天気とか、日が沈む時間によってスケジュールはバラバラになっちゃう(笑)。ちゃんと決めてるのはえらいね。……でも、もともと朝に強いタイプだっけ?
のち じつは小学生の頃からずっと朝に弱かったんです。社会人になっても家を出る1分前くらいまで、朝ごはんよりも睡眠優先。
休日の午前中はずっと寝てたりする感じで生きてきたんですけど、旅先では自然と朝起きてちゃんと働けます。
「旅に出ると仕事ができない」って言うひとが結構いると思うんですが、私は旅先のほうが仕事できる(笑)。
のち 変わりない日常で暮らしていると、だんだんそれに慣れてきて環境に甘えだしてしまうというか……。
伊佐 「甘えてない」のはめっちゃわかる。自分しか律してくれるひとがいないし。
のち 日本から出た瞬間から「誰かにとっての初めての日本人は自分かもしれない。自分が日本の看板を背負って生きている」って思いながら行動するから、旅先にいる方がしっかりしなきゃ!っていう気持ちを持てるのかも。
[旅を仕事にする流儀]
誰に、何を届けている?
伊佐 仕事のアウトプットの仕方でいうと、私も文章と写真を扱うけど、デザイナーの職能を持っているか持っていないかはのちちゃんと違うんじゃないかと。
のち そうですね。でも、アウトプットの向いている先──どんなひとたちに届けたいのか──は、似てる気がしていて。
伊佐さんは会社員でありながら、思い切って世界に飛び出たじゃないですか。
「みんなが思っているほど世界に飛び出すことって怖くないよ」っていう想いは、なんとなく感じていて。
私はもともと、引きこもりだったし社会というものに対してあんまり前向きじゃないし、会社は超嫌いなタイプだったので、旅をする生き方をとおして社会や生きることに対して前向きでなかったり心を閉ざしたりしているひとたちの背中を押したいと思っていて。
おなじような悩みや夢をもったひとたちの背中を押している感じがする。
のち 想いの方向性は一緒だけど、実際に届いている層はちょっと違うのかもしれない。伊佐さんの発信は、伊佐さんと近い世代のひとたちとか大学生が多いのかな。
伊佐 20代後半から30代。
のち がすごい多くて、私はどっちかっていうと高校生とか大学生が多い。
伊佐 そう思う!
場所にとらわれない働き方の指針
伊佐 フリーランスとして独立してから、大切にしている指針みたいなものはある?
のち 私に何かを頼もうって思ってくれたひとに、仕事に対して100%返すのはもちろん、プラスαこのひとのためにできることはないかな?このひとはその仕事で世の中に何を残したいんだろう?と、つねに考えるようにしています。
頼まれた仕事だけをこなすっていうよりは、そのひとごと愛することがモットー。そのひとや会社にとってプラスαで還したい。
旅に出る前に独立してからこの1年、クライアントと「なんでも言い合える友達」のような関係性になれてきたかもしれないなというのは、お付き合いする中で感じていて。
だからこそ、長く続いていく関係でいようというのは心がけています。
のち あとは自分の能力を過信しすぎないっていうのもすごく大事にしてる。
面白そうな仕事が目の前に現れた時に、もちろん掴みたいんだけど、それを「楽しそう!私ならできる!」って掴みすぎると自分のキャパが200%を超えてきて、一人ひとりに対して親身になれない。目の前にある仕事だけをとにかくこなすみたいになっていく。
仕事をいただけることは素敵なことだけど、私はそんなに器用じゃないし、自由にひととの関係性を築いていきたい。だから手を出しすぎないことを大切にしています。
伊佐 そういう指針は、場所を問わずに働くために必要なの?
のち そうですね。心の距離が近くなればなるほど、わがままも許してくれるし、自分が何をしたいのか?って思えば思うほど、相手もこの子は何をしたいのかなって気にしてくれる。
付き合いが浅いクライアントだと、こいつは国内外を飛び回っているしちょっと仕事は頼みづらいな……みたいな感じにはなると思うんだけど、信頼できる仲間がいれば、古性がやりたいことだったら応援しようと寛容に対応してくれる。
のち 旅をしながら働けているのは、信頼しあって助けあえるひとたちが周りにいてくれるから。
関係性が壊れてしまったら、たぶんこの働き方は成り立たなくなる。それは壊さないように大切にしながら、新規の案件も受けつつ仕事をしています。
[世界17カ国26都市を巡り終えて]
この働き方でよかったこと
伊佐 のちちゃんはこの働き方をしていてよかったなと思うことはある?
のち 会社員だった時は、会社という選択肢の中から選ぶことしかできなかったし、そうしていることにも気づかなくて。
会社に所属すること、日本の会社から選ぶこと。それが当たり前だと思っていたけど、今は自分で仕事をつくりだせる。
しかも日本の外でも仕事ができると知ったときに、選択肢をたくさん持てるようになって。
旅のおかげで視野は広くなり、トラブルがあってもどうにかする力がすごい強くなって、生きる力も強くなった。それがよかったことです。
伊佐 うん、わかる。何があっても、なんとかするからね。
理想の拠点
伊佐 拠点は持ちたいですか?
のち 持ちたいです。それもさっきのパッキングの話につながってきますね(笑)。
今のところ東京には仕事のために定期的に帰ってきているので、拠点は必要で欲しいものの、(世界的な選択肢の中から検討すると)初期費用も家賃も高すぎる。
なのに「半月もいません」じゃあ、めっちゃもったいない。
伊佐 結局エアビーに落ち着くね(笑)。
のち けど、それじゃあまたパッキングして次の宿に行かなきゃいけないし……。
いま本当に欲しいな、やりたいなと思ってるのは、東京とバンコクともう一個くらいポーランドとか好きなところで、3つ拠点を同じような働き方をするみんなでシェアすること!
伊佐 いい! じゃあ3つ目はクロアチア(がいい)。
のち クロアチアかー! じゃあネパールがいい(笑)。とりあえず来週から、東京で一緒に暮らしてみましょう!(笑)
※2人は2017年12月、東京のエアビーを試しにシェアしてみることにしています。
旅をしながら働くひとを増やす
伊佐 私も、ワークスタイルの理想形は現時点でいうと多拠点かな。日本にひとつ、交通の便がいいアジアにひとつ、あとは海が美しい好きな街をあわせた3拠点くらいで今の仕事を続けられたら……。
のち 最高です。ただ、今は東京でつくった仕事を旅先に持ち込んでやっていることが多いので、本当の理想は、多拠点があり多拠点にいるからこそ仕事が生まれること。
伊佐 具体的に言うと、何の仕事でしょう。
のち 旅やその土地の魅力を伝えるのは、言葉。ライティングなのかなって思っていて。ウェブのメディアだけではなくて雑誌だとか、「書く」「話す」という手段で伝えていけたらいいなと。
というのも、今の自分のミッションは「自分と同じような旅をしながら働くひとを増やすこと」。もっと日本人に世界に出て欲しいし、私としても仲間が欲しい。
伊佐 「同じような働き方のひとを増やしたい、応援したい」って、それはむずかしいよなって思うことはあるじゃないですか。
属人的なこのスタイルを実現してもらうためにはどうしたらいいんだろう。
のち 旅をしながら働く方法は学校でも社会人になっても習えない。だったら「旅、ときどき仕事」でそういうスクール事業をやってみようかという話をしていて。
伊佐 TABIPPOが主催している旅大学みたいな講座かな?
のち 旅大学よりもう少しカリキュラムをしっかり組んだイメージです。ステップを踏んでもらって、そのひとの置かれた環境で本当に旅をしながら働けるのか、チャレンジできる実践的な講座にしたい。
旅をしながら働く仲間を増やすために、この半年間のうちに勉強会を開いたり一緒に旅して情報交換したりしてみたものの、そんなに短期的には実現できないよねって。もっとしっかりカリキュラム組もう!と。
伊佐 それはライターとかエンジニアとか、リモートワークしやすい職種にこだわらずに入れるスクールになる?
のち はい。それがどういう形で実現するかはわからないけど、同じようなワークスタイルのひとを本気で増やしていきたいと思っています。
(この記事は、合同会社cocowaと協働で製作する記事広告コンテンツです)
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