最近、飲んだお酒は何ですか? 日本酒? チューハイ? それともカクテル?
私は、ビールが大好きです。春でも夏でも秋でも冬でも、しゅわっとしたビールがあると、その場が少し華やぐ気がしませんか?
「くらしのまんなか、あたらしいのみもの」をコンセプトとした「キリン オフホワイト」。買える場所は通販サイト「LOHACO(ロハコ)」と「Amazon」、そして世界観を具現化した「オフホワイトハウス」もあると聞いて、なんだか普通のビールと違う様子。商品に込めた想いを知るために、開発担当の北島苑(きたじま その)さんに話を聞いてきました。
もっと女性の暮らしに寄り添えるビールを
── 「キリン オフホワイト」って何ですか?
北島 キリンビールが2014年9月に新発売した、「くらしのまんなか、あたらしいのみもの」というコンセプトの発泡酒です。一昔前と比べてビール類の消費量が減り、若者のビール離れが進んでいると言われていますが、今までのものとは違う文脈の、もっと今の時代の暮らしに溶け込むビールをつくりたいという想いで開発に臨みました。
── 今までのビールとは違う文脈?
北島 日本のビールは、高度成長期に成長してきた飲み物でもあります。「24時間働けますか?」なんてキャッチフレーズが流行っていた時代と「ワークライフバランス」という言葉が飛び交う今の時代とでは、その消費の仕方も変わってきています。
ビールは居酒屋で「とりあえず」と言って飲む文脈だけのものではないと思うんです。例えば春風が吹く気持ちのいい午後に、ぷしゅっと缶を開けたくなる、ごはんを食べたりつくったりしながら軽い気持ちで飲める、はたまた子どもと一緒にいるシーンでも気兼ねなく飲める……そんなライフスタイルの一部としても成り立つ、女性の暮らしに寄り添うビール類があってもいいんじゃないかと思ったんです。
── なるほど、おもしろいですね。ビールの概念を変える女性向けの新しい飲み物。……ちょっと飲んでみてもいいですか?
北島 もちろんです。
── (ごくり。)
美味しい…! 少しオレンジの香りがして、さわやかで軽いけどちゃんとビールっぽさもありますね。とっても美味しいです。苦味もなくて、口当たりもやわらかいから確かに女性が好みそうです。
(二口目をごくり。)
あー、美味しい。
(いけない取材中だった。)
北島 ありがとうございます。
スーパーで売っているビール類は店頭で目に入りやすいということも想定しているので、どうしても見た目がギラギラしているものが多くて、少し買いづらいと感じる人もいるかと思います。あとは家で飲むシーンではそばにお子さんがいたり、家事がまだ残っていたり、ビールを飲むのに一抹の後ろめたさがある方も多いようで。
それって、ビールというカテゴリー自体が男性的なイメージだからというのがひとつの理由かも。だから、そこを変えていけるような新しいビール類を目指したかったんです。ちなみに苦味もアルコールも糖質も控えめなのも、女性にとって飲みやすいものを追求した結果です。
── それはうれしい。「キリン オフホワイト」は見た目もかわいいですから、台所でストックしておいても馴染みそうです。
北島 デザイン含め、佇まいや存在価値は非常にこだわりました。飲んでいただけるシーンとして、他社さんのビール類だけではなくて、麦茶やペリエなど、もう少し女性の暮らしに近い飲み物もイメージしていました。雑誌に出てくる雑貨やファッション小物のように、女性の生活を彩る一アイテムとして提案できたらいいなと。
── 少しざらりとした生成りの色。お中元などの贈り物にもよさそうですね。
「くらしのまんなか」に家をつくりました
── 「オフホワイトハウス」についても教えてください。
北島 「オフホワイトハウス」は、簡単に言ってしまうと「キリン オフホワイト」の世界観を具現化した、「ていねいなくらし」が体験できる家です。大分県竹田市にありますが、緑が美しい、とても素敵な場所です。
── なぜ家を?
北島 「もっと女性の暮らしに寄り添ったビールを」という想いを込めた商品ですから、その発信の仕方にもこだわりたいと思ったんです。今はネットで全てが伝わるように錯覚されがちですが、実はそうじゃない。この商品も販路はネットを選びましたが、それだけじゃない商品が志向する価値観を伝える媒体がほしかったんです。
その手段を考えた時、日々の暮らしを考えるひとつの舞台として、家ってとても象徴的だなと。
── チャレンジングな企画ですね。大企業でこれをやるとなると、開発担当者の方の労力は想像を超えそうです(笑)。実際に販売してみて、反響はいかがでしたか?
北島 予想以上の反響をいただいています。インスタグラムなどのSNSで拡散していただいたり。その際、横にあるおつまみとして、エイヒレとか焼き鳥じゃなくて、パスタやカルパッチョなど白ワインと合わせたくなるような食べ物と一緒に写っていることが多いのが、新たな文脈が伝わっているようでうれしいですね。
── あの……「オフホワイトハウス」のサイトを見ていて違和感をぬぐいきれないことがひとつだけあって。家の周りをハトが飛んでいるんですが……。
北島 あぁ、ドローン! 無人の航空機の、KA-POやNI-POのことですね。他にも4羽、ZI-PO、BA-PO、TO-PO、NE-POがいて、家族6羽で「オフホワイトハウス」で暮らしているんです。6羽のうち誰かがが実際に飛んでいって、竹田のいろんな方の暮らしを聞きに行くんです。
アプリを使ってハトに会う時間を決めると、空から6羽のうち誰かがやってくる。
やっぱり、コミュニケーション上のアクセントって、必要ですよね!(にっこり)
── た、確かにものすごいアクセントになっています。さらに「キリン オフホワイト」が気になってきました(笑)。
「お酒のある暮らし」はちょっと楽しい
── お酒がある空間って、いいですよね。
北島 みんながみんな飲まなければいけないものでは当然ありません。お酒は嗜好品のひとつですが、大人同士のコミュニケーションの滑降油として活躍してくれる時も多いし、一人で家でビールを飲む時間が幸せだとおっしゃる方も多いです。
── 「キリン オフホワイト」はどんな時に飲むのがおすすめですか?
北島 私はもともと5月の爽やかな風が吹く日に、ふらりとお出かけして、その時に片手に持てるビールがあったらいいなぁと思ってこの「キリン オフホワイト」の開発を始めたので、天気のいい日がいいですね。
── 私は、彼氏といちゃいちゃしながら、晴れた日の午後に裸足で2人で分けあって飲みたいです。
北島 あー、いいですねぇ。いろいろな暮らしのシチュエーションにフィットしてほしいです。
── 女性だけではなく、若い男性や、ビールが苦手な人にもおすすめしたいです。
北島 私、実は昔ビールが苦手で。でも、ビールをジンジャーエールで割ったシャンディガフのようなビアカクテルとか、あとは「ハートランド」とか少し口当たりのやさしいビールを飲んだことがきっかけで、ビールが少しずつ飲めるようになっていったんですね。
「キリン オフホワイト」も、手に取った誰かのビールとの付き合い方を少しでも変えてくれるような、ビールへの入り口になってくれたらうれしいです。
── これからの時代のライフスタイルにすっと馴染む、あたらしいのみもの「キリン オフホワイト」。私の大好きな飲み物になりました。
「キリン オフホワイト」イメージ写真
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お話を伺った人
北島 苑(きたじま その)
キリンビール株式会社 マーケティング部 商品開発研究所 商品開発グループ。広島県に生まれ、大阪大学理学部卒業後、2007年キリンビールに入社。九州での量販店営業を経て、2011年より現部署に所属。お酒のある幸せな瞬間を、もっと世の中に創出していくことを志として、これまで「澄みきり」「オフホワイト」などのビール類の商品、戦略、コミュニケーション開発に携わっている。