2017年5月から「灯台もと暮らし」編集部の立花は、北海道下川町という人口約3,400人の町へ移住しました。そこでの日々の暮らしの一部を切り取る「下川町日記」をお届けします。

「灯台もと暮らし」の取材をする先々で、「地域での暮らしの大変なこと、都会での暮らしと違うこと」を伺う時、いつも出てくる話題がある。

それが草刈り。

マンションやアパート、庭のない一戸建てなどに住んでいると不要な草刈りだけれど、これを怠ると冗談じゃなく人間関係に影響が出るという話を、何度か聞いたことがある。

「草がボーボーの状態まで放っておくと、隣の敷地まで雑草が生えちゃって、苦情が来たり、ちゃんと庭の手入れができないひとだと思われちゃったりするの」ということらしい。

「確かに庭木ならまだしも、雑草が自分の家まで進出して来たら不快かもなぁ」と、その時は足りない想像力をふくらませて聞いていたのだけれど、実際に広い庭付きの家で暮らしてみて、その重要さと大変さがよく分かる。

忙しさにかまけているうちに、あっという間に下川町にも夏が来た。

植物は「待ってました」とばかりにグングン成長し、雑草も負けじとボーボーと生い茂り、いつのまにかわたしの家の周りはちょっとした草むらに覆われていた。

「そろそろ草刈りしなくちゃ」と思いながら、仕事やイベントごとへ時間を費やし、後回しにし続けること数十日。

いよいよしびれを切らしたのか、わたしの草まみれの家を慮ってか、「草刈りしてね」という町役場からのお手紙が届いた(わたしの自宅は町営住宅)。

「いよいよヤバい」と思い、いざ草むらに飛び込み刈らんとしたけれど、雑草たちの生命力に圧倒されるばかり。刈れども刈れども減った気がしない。

「手でやったらキリがないから、機械を貸すよ」と見かねた地元の方に声をかけていただく。やるべきことは、なるべく早めに片付けてしまった方が良いなと反省した出来事だった。