毎日、お日様がのぼって夜が来て、何も言わなくても必ず明日が来る、ような気がします。
でも、それは誰も確約できない未来です。突然、そういう瞬間を迎えて志半ばで事切れるひとは世界に数え切れないほどいるはずです。
三重県の方言「しもてく」は、「亡くなる」「死ぬ」の意味を指します。「お終(しま)いで、往く」がなまったものが語源だという説がありますが「しもてく」のは、今日かもしれないし、遠い先かもしれません。
もしかしたら来ないかもしれない明日、これっきりの今を一日ずつ「おしまい」まで過ごせれば、おのずと未来にたどり着くのでしょうか。
「おしまい」になった昨日を切り捨て、次へ次へと生き急ぐ未来と、しまいこんだ日々に感謝するのを忘れず、「今日しもてくかもしれん」と思って暮らす未来は、一体どう違うのでしょうか。
考えても分からず、今日はもう「おしまい」。とりあえず「今日もいい一日だった」と言える日々が続くと、今も未来も、何かが変わるのかなとも思います。
お国ことば解説
しもてく:三重県の方言で、死ぬ、生涯を閉じるの意味。四日市市がある四郷地区の方言とされる。