大型連休が近づいてきました。観光先や帰省先では、各地域に根付くカフェでおいしいコーヒーを飲みたいところ。
「灯台もと暮らし」編集部は、これまで多くのカフェ・コーヒーショップに取材してきた。そこで、連休を機に「また訪れたいカフェ」をあらためて考えてみました。コーヒーを飲みたくなったとき、心を落ち着かせたいとき、読書したいとき。今回紹介するカフェに足を運んでみてください。きっとあなたの心を満たしてくれるはずです。
取材開始20分で立花が泣き始めた「松庵文庫」
佐野知美(以下、佐野) カフェをいちばん取材しているのは、たぶんタクロコマくんですよね……。
タクロコマ カフェ担当みたいになっていますね(笑)。
立花実咲(以下、立花) 私はカフェと言いつつ、谷中にあるHAGISOみたいな多目的施設の取材が多いです。単純な飲食店というだけでなく、谷中をはじめ地域の人々に愛されているんだなと感じる場所でした。
立花 あとは、カフェと呼んでいいのかわからないけど、印象的だったのは西荻窪の「松庵文庫」さん。
佐野 あ~。いい記事でしたね。
立花 取材で初めて、お話に感動して泣いてしまいました。泣き始めたのは、取材開始からたった20分くらいだったと思います。
佐野 そうですね。
くいしん・タクロコマ まじですか(笑)。
タクロコマ どうして泣いちゃったんですか?
立花 音楽家のご夫婦が住んでいた古民家を、岡崎友美さんが譲り受けてリノベーションし、オープンしたのが「松庵文庫」です。このお店に、亡くなったご主人のお弟子さんたちが、今でもご主人を訪ねるような感覚でいらっしゃるんですって。だから私は、お店というより「民家」だと強く感じた。
佐野 それは記事を読んで、とても伝わってきました。
立花 取材中、ご夫婦が築いてきた暮らしを、岡崎さんはとても尊重されていることが伝わってきました。「松庵文庫」という、ひとを引き寄せる場所があることと、その空間を覚悟をもって守っている岡崎さんの言葉を聞いて、感極まりましたね……。
タクロコマ 立花さんと息を合わせて、同じタイミングで泣きながら記事を読みたいです。
くいしん それを聞くタクロさんの気持ち、とてもよくわかります(笑)。
立花 なぜ(笑)。教え子の方が昔の写真を持ってきて、先生(ご主人)の分までコーヒーを頼んだっていうエピソードは……涙が出てしまいました。
岡崎 「ピアノがここにあったわよね」って盛り上がっていたり、一人でいらっしゃって「先生とお茶を飲みに来ました」と、コーヒーを2つ注文する方がいたり。教え子さんに「この家を残しておいてくれてありがとう」とおっしゃっていただいて、暮らす人だけではなく、その人の人生の登場人物の方々の暮らしにも根付いていた場所なのだなと、ひしひしと感じました。
立花 「松庵文庫」さん、また行きたいです。
くいしん 6月には「松庵文庫」のリノベーションを手がけた「ゆくい堂」さんの記事も公開予定です!
これから公開予定の記事を含めて言うと、中目黒にある「ONIBUS COFFEE」(オニバスコーヒー)で対談取材を組んだときに、タクロさんは東京で想いをもって何かをしているひとたちに対して尊敬の念が強いんだなぁって思いました。
タクロコマ 尊敬していますね。もちろんお店にかぎらず、自分の主張をもって生きているひとはかっこいいです。たとえば「Bird 代官山」の鈴木一史さんとか……。
タクロコマ 「NAKAMURA TEA LIFE STORE 」の西形圭吾さん。今でもよくお茶や急須を買いに行っていますよ。
佐野 くいしんさんが印象的だったカフェは、高知県本山町にある「Joki Coffee」(ヨキコーヒー)ですか?
くいしん そうですね。ただ「Joki Coffee」は、カフェではなくて「珈琲屋」です。カフェや喫茶店は、コーヒーそのものを指した言葉ではないですよね。場所や空間を指した言葉なんですよ。店主の大下健一さんは「コーヒーが何より美味しくなければ意味がないと思ってる」と仰っていて、その考え方に感動しました。先日取材を終えたばかりで、これから執筆をはじめるので、公開を楽しみに待っていて欲しいです。
ミーハーな佐野が飽きずにまた訪れたい「ABOUT LIFE COFFEE BREWERS」
タクロコマ 今度はミーハーな佐野さんが、飽きずにまた訪れたくなるカフェを教えてください。
佐野 飽きずにまた行きたくなる場所(笑)!
うーん……、やっぱり渋谷の「ABOUT LIFE COFFEE BREWERS(以下、アバウトライフコーヒー)」が思い浮かびます。
佐野 私がライターをはじめたころお世話になっていた媒体のオフィスが、アバウトライフコーヒーの目の前だったんですよ。だからお店の存在は知っていたけど、行ったことはありませんでした。
通り過ぎていた渋谷の町に、こんな空間があって、「日々、コーヒーをきっかけに生活の豊かさについて考えてもらいたい」という想いで、コーヒーを届けているひとたちが身近にいることが、純粋にすごいなって思った。
くいしん まさに、灯台もと暗し……!
一同 はははは(笑)。
くいしん 僕もアバウトライフコーヒーの記事が印象に残っているんですけど。世界のコーヒー文化の違いについても、初めて知ったので「へえ、そうなんだ!」と膝を打ちました。
―― オーストラリアはスターバックスが撤退したくらいコーヒー文化が根付いているんですよね。
安武 クオリティが高くて個性的なコーヒーショップがすごく多いですからね。それぞれ国によって違うコーヒー文化があって、おもしろいですよ。僕らはそういった文化をそのまま真似して持ってくるというよりは、この文化が日本に合っているだろうという仮説を立てて、試行錯誤しながら取り入れているところです。
佐野 アバウトライフコーヒーの記事は、「もとくらは、おしゃれな場所をただおしゃれです、と伝えるだけじゃなくて、設立や運営の根っこにある想いや、魅力を伝えることができるのかもしれないな」と思うきっかけになりましたね。
立花 カフェではお洒落なランチを食べられるけど、お洒落なだけじゃない。食づくりの背景にある物語を知って、その上で私たちが共感できるお店の取組み、想いをこれからも伝えていきたいです。
佐野 そうですね〜。でも今回話に出なかったお店でも、素敵な場所は本当にたくさんありますよね。もとくら読者のみなさん、ゴールデンウィークですし、お時間あればぜひ出かけてみてくださいね。
紹介したお店のこと
HAGI CAFE
住所:東京都台東区谷中3-10-25 HAGISO
電話番号:03-5832-9808
営業時間:12:00~21:00
定休日:月曜日(祝日の場合火曜)
※イベントによって臨時休業あり
公式HP:HAGISO
立花が取材開始20分で泣き始めた「松庵文庫」
住所:東京都杉並区松庵 3-12-22
電話番号:03-5941-3662
営業時間:11:30~18:00
定休日:月曜日、火曜日
公式サイトはこちら
もとくら記事:【西荻窪】古民家スペース「松庵文庫」に集まる変わらない暮らし、声と音
ミーハーで飽き性な佐野がまた訪れたい「ABOUT LIFE COFFEE BREWERS」
住所:東京都渋谷区道玄坂1-19-8
電話番号:03-6809-0751
営業時間:8:30~20:30
定休日:なし
公式サイトはこちら
公式Facebookページ
もとくら記事:渋谷のカフェ「ABOUT LIFE COFFEE BREWERS」 丁寧なコーヒーの一杯が、暮らしの豊かさを考えるきっかけに
渋谷 ABOUT LIFE COFFEE BREWERSのバリスタの皆さんに聞いた「コーヒーってどんな存在ですか?」
店主の哲学にくいしんが感動した「Joki Coffee」
住所: 高知県長岡郡本山町本山521-1
電話:0887-72-9309
営業時間:月~金曜日 10:00~17:00(L.O. 16:30)
土日祝 10:00~18:00(L.O. 17:30)
交通手段:車の場合/高知自動車道大豊ICから15分
電車とバスの場合/JR土讃線大杉駅からバスで15分
定休日:なし
公式サイトはこちら
タクロコマがかっこいいなぁと思う大人がつくる「Bird 代官山」
住所:東京都渋谷区 代官山町9-10 2F
電話:03-6416-5856
営業時間:9:00~19:00
定休日:水曜日
アクセス:JR代官山駅から徒歩7分
公式サイトはこちら
もとくら記事:カフェ「Bird代官山」ができるまで。飲食店経験ゼロのデザイナーが生きる道
タクロコマがかっこいいなぁと思う大人がつくる「NAKAMURA TEA LIFE STORE」
住所:東京都台東区蔵前4丁目20-4
アクセス:東京メトロ大江戸線蔵前駅から徒歩約4分
電話:03-5843-8744
営業時間:火曜~日曜日 12:00~19:00
定休日:月曜日
公式サイトはこちら
もとくら記事:【蔵前】「NAKAMURA TEA LIFE STORE」100年先も、暮らしにお茶の楽しみを。