木に宿る精霊、木霊がすわっているのではないかと思える木椅子をみつけました。

場所は長野県にある戸隠神社。奥社参道の中程にある朱塗りの随神門をくぐると、その向こうには樹齢400年を超えるクマスギが、約280本続き、視界いっぱいの並木道を作り出しています。

目視ではすべてを確認できない数の巨木とその大きさが相まって、この500m続く一本道の空間だけは、400年前からずっと変わらない場所なのだと実感できます。

クマスギの幹は大きな熊くらい太く、根は電柱の柱大。巨木の根に腰を下ろせたら安心できるし、心地よさそう……と想像していたら、ここを好む木霊が、いま目の前の根に座っているのではないかと思えてきたんです。