「島旅がしたい、島へのIターンにも興味がある、面白い場所や人に出会いたい。」そう思っていたとしても、なかなかきっかけが見つけられなかったり、一歩踏み出すための少しの勇気が出なかったり。島への興味は人それぞれですが、実は悩みは共通なのかもしれません。
そんな方におすすめなのが、いま注目の島・島根県隠岐郡海士町(あまちょう)の株式会社巡の環が主催する、「AMAカフェ」という島との距離をぐっと縮める不定期イベントです。
今回灯台もと暮らし編集部が参加してきたのは、2015年2月8日に開催された「AMAカフェvol.28 ソトコト副編集長と海士の観光協会と一緒に楽しむ『AMAカフェ×島旅企画会議』@東京」。サブタイトルは「島旅は、裏事情こみで楽しもう」、開催場所は「会話・想像・行動が生まれる場所」TIP*S。
なんだか概要を聞いただけで何かが起こりそうな予感でわくわくしてきませんか? この記事では、そんなイベントの参加レポートをお届けします!
「AMAカフェ」ってなぁに?
島根県隠岐郡海士町の食材を使ったお料理や音楽などを通して、海士の魅力を全国にお届けし、旬の食べ物やそこに集まってくれた人たちとの出会いを楽しむイベントです。東京を中心に、都心部にいるAMAファンと海士町、そしてAMAファン同士がつながり続けるためのイベントとして開催してきました。
■引用:2/8(日) AMAカフェ vol.28 × ソトコト副編集長と海士の観光協会と一緒に楽しむ「島旅 企画 会議」@東京
毎回様々なテーマや企画で開催している「AMAカフェ」ですが、司会進行は株式会社巡の輪 取締役の信岡 良亮(のぶおか りょうすけ)さん。ゲストには海士町観光協会にIターンしてこの春9年目を迎える青山 敦士(あおやまあつし)さんと、ソトコト副編集長の小西 威史(こにし たけし)さんをお迎えして、集まった方々と共に、田舎に旅するときの味わい方を探る会議を行いました。
ちなみに今回のイベントコンセプトはこちらです。
田舎を旅して一番楽しいのは、実はその土地に詳しい知り合いにいろいろ紹介してもらうことだなと思うのですが、実際にはまだ多くの人が、旅行雑誌かインターネットの情報だけで田舎と出会っている。なんともったいない。
田舎の魅力を語れる人も、田舎の魅力に触れたい人も溢れてくる未来を感じるなかで、どうすればそんな二つがもっと出会って、田舎と都会の楽しい繋がりが出来るようになるか。
そんなことをみなさんと一緒にソトコトの小西さんと、海士町観光協会の青山さんとの話を聞きながら考えていくような時間にしてみたいと思います。
会場には海士町在住のインターン生の方から、海士町に旅したことがある人、はたまた海士町って名前を実は最近初めて聞きまして……という方まで、様々な背景を持った方が約40名集まっていました。イベントの幕開けはつい身を乗り出して聞いてしまうような、おもしろいエピソードたっぷりのパネルディスカッションです。
中でも、「僕が海士町に惹かれたきっかけは、島を訪れた際に島民の方が突如繰り広げ始めた、涙ありの熱い島の未来談義でした。」というお話や、「海士町は人を知ると格段に深みが増していく。特にスナックが面白くてね……。」というお話は非常に印象的。
「自分で作ってみると、作られたものの凄みが見えてくる。例えばしめ縄とかもそうで、作ったことがなければ『わぁ、手作りですか? お上手ですね。』という感想しか持てないけれど、実際に自分の手で作る経験をしてみると、『…上手いですねぇ〜。(にやっ)』と、こう変わってくる。島のじいちゃんとの会話にも、深みが加わってくるんだよね。」
今にも情景が浮かんできそうな語り口と、体験に裏打ちされたリアリティ溢れるエピソードの数々、そして笑いの絶えない和やかなムードで進行されるイベントに、灯台もと暮らし編集部はすっかり魅了されてしまったのでした。
地域の課題を話し合う!わいわいグループトークで打ち解ける
さて、60分ほどのパネルディスカッションで、海士町のことや今回のゲストの方の想い、更にはここでしか話せないオフレコの話などをうかがうと、気分はすっかり海士町住民。
そんな折、信岡さんが「では、グループトークに移りましょうか」とおっしゃいました。6つのグループに分かれて、それぞれ設定された様々な地域の課題について話しあいましょう!という内容のようです。
でも、「グループは6つに分かれましょう。」と言いつつも、あれ? ホワイドボードにはグループ3つ分の課題しか書いてありません……。「募集中」って一体……?
と思ったら、数分の休憩時間の間にトークテーマはしっかりと埋まっていました! 当日、参加者の方の中からトークテーマを募集するという、参加型グループトークだったのですね。設定されたグループトークのテーマは以下6つです。
- TIP*S×地域ファンのネットワーク作り構想
- どうすれば外国人観光客を島に呼び込めるか戦略会議
- 海士町の気になるところ、ひっかかるところ教えてください会議
- 伊賀村おこし構想「幸せ」な村を創る
- 田舎が観光地になる住民のメリットとは?
- 過疎の村で健康障害を訴えた場合の措置について
各30分、計2回のグループトークでは、それぞれが好きなグループに自分の椅子を持ち寄り、「初めまして、では早速ですが……。」と話し合いを開始します。普段出会えない方々と、何か一つのテーマを介して交流できるのはイベントならではの醍醐味です。
ちなみに私は、このグループトークを通して「温泉を経営すること」と「忍者になること」が人生の目標に加わりました。今振り返っても少し突飛な話だなと思いますが、そんな自由な意見が飛び交うほどの素敵な空間だったということが伝われば嬉しいですね。
イベントの最後は海士町の食材を使用した美味しいご飯で交流会
このイベント、なんといっても印象的だったのが食事です。海士町で取れた新鮮なサザエやイカ、鮮やかな野菜が目にも嬉しい大根の煮物など、思わず箸が伸びてしまうラインナップ。
グループトークの後ともあって、まだ話し足りない人がたくさん。みなさん、思い思いに名刺交換をしたり、美味しい料理に舌鼓を打ったり。今日が初対面だと思えないくらい打ち解けられた方も多く、なんだかとても豊かな気持ちになりました。
島がもっと好きになる「AMAカフェ」は人と島との出会いの場
東京都内にいながらにして、一度も訪れたことがない島根県隠岐郡海士町という島のことが身近に感じられる今回のイベント。第29回目が今から待ち遠しくて仕方がありません。情報は、主催の㈱巡の輪公式サイトにて発信されていますので、ご興味のある方は是非注目していてくださいね。
ちなみに開催場所は毎回異なるようですので、あなたの町に「AMAカフェ」がやってくる日も近いかもしれません。
海士町という島の魅力に少し近づけた一日。灯台もと暮らし編集部もたくさんの刺激を受けて帰ってきました。
さて、次はどこで海士町に出会いましょうか。
島根県隠岐郡海士町について
信岡 良亮(のぶおか りょうすけ)
株式会社巡の環の取締役。関西で生まれ育ち同志社大学卒業後、東京でITベンチャー企業に就職。Webのディレクターとして働きながら大きすぎる経済の成長の先に幸せな未来があるイメージが湧かなくなり、2007年6月に退社。小さな経済でこそ持続可能な未来が見えるのではないかと、島根県隠岐諸島の中ノ島・海士町という人口2400人弱の島に移住し、2008年に株式会社巡の環を仲間と共に企業。6年半の島生活を経て、地域活性というワードではなく、過疎を地方側だけの問題ではなく全ての繋がりの関係性を良くしていくという次のステップに進むため、2014年5月より東京に活動拠点を移し、都市と農村の新しい関係を模索中。
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