子どもの頃、学校から帰ってくると、テーブルの上にひとつだけお菓子が用意されていた。授業が終わって帰宅するのはちょうど午後の3時くらい。おやつの時間ぴったりだから、放課後は早足で家に帰る。テーブルの上の「こびり」は、おせんべいや果物、豪華なときはチョコパイだったりする。

小学生の放課後は忙しい。宿題もあるし、「こびり」の時間を堪能しつつも20分後に友達と校庭で待ち合わせしているんだから、ゆっくり味わっている暇がない。そういうときは、「こびり」をちょっとばかし多く持って行って、友達と食べる。ひとりで食べるより、うんとウマい。

今日の「こびり」は何かな。お昼ご飯の時間から、もう待ちきれない。

お国ことば解説

こびり:新潟県の方言で、おやつの意。昼食前後や、夕食の前に食べる、ちょっとした食事。

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