各地の方言というのは、むずかしい。もう消えてしまって、日常では使われていないものもありますし、地域によっては表記が微妙にちがっているものもある。

例えば福島県の方言「ぽーぽい」。音がなんてかわいいのかしらと思ったが、ぽっぽと火照っている様子を指すらしい。ものが火照る様子はさておいて、人間が照れたり怒ったりして顔を真っ赤にすることも、「ぽーぽい」というのだろうか。でも、怒っている最中に「あなた、顔ぽーぽいよ」なんて言われてると、なんだか気が抜けてしまいそう。

地域のなまりというのはおもしろい。その土地に暮らすひとの、普段遣いのしゃべりかた、そしてさらに遡って各土地オリジナルの風土を表していると思うから。福島だって同じ。築かれた風土が今もなお、ことばという形で脈々と、無意識のところでもつながっていったら、と願う。

お国ことば解説

ぽーぽい:福島県で使われる方言で「あたたかい」の意味。火照っている様子を指す。

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