わたし、「灯台もと暮らし」編集部・立花は2017年5月から北海道下川町へ移住しました。
移住したはいいものの、地域のことを何も知らない状態では仕方がありません。そこで「地域に根づいた企業の中がどうなっているのか知りたい!」と、就業体験を突撃でお願いしたところ、ご快諾いただけ、お仕事を経験できることに。
地域には仕事がない、なんて、勘違い。地域を思い、ひとを思い、自分の好きなことを生業としてはたらく下川の人々は、どんな一日を送っているのでしょうか。
山や森林に囲まれた下川町では、海の幸はちょっとしたご馳走、という気がする。
北海道というと、豊富な海鮮がどこでも食べられるイメージがあるけれど、北海道は広い。そして地域性もバラバラで、地の利を活かした産業は本当に豊かで、一緒くたにできない。
森の恵みを中心にいただく下川町の、大事な食卓を支えているのは地元のスーパー。対面で鮮魚を販売し、お客さんの注文に応じてさばいたり、加工したりしてくれるのは、町内ではこの「寿フードセンター」だけらしい。
9時の開店に間に合うように品出しをして、そのあとも町内の病院や施設に食材をお届けするために、発注書を見ながら品物整理。
お店の裏では、いくつものパッケージを並べてお惣菜やお弁当をつくっている。
店頭に訪れるお客さんは、ほとんどが地元の方々。
「ああ、○○さん、この前買ったあれ、どうだった?」
「美味しかったよ、ありがとう。今日は何が入っているの?」
「そうだなぁ……」
こんな会話が、店の中のあちこちで聞こえてくる。
一度きりの、見知らぬ誰かのためではなくて、名前と顔が一致する“あのひと”が店に来る。
そしてそのひとのために、商品を売る。
本来、地域の商店って、こういう商売だったよな、と思いながらお仕事の手伝いをしていれば「あら、こんな若い子、お店にいたっけ!?」と声をかけてくださる方もいた。
「数日間だけ、就業体験させていただいているんです」と伝えながら自己紹介をすると「実咲ちゃんっていうのね。頑張ってね」と返してくれる。
よく、地域に移住したひとから「仕事場と生活圏が近いから、仕事着のまま買い物していると、スーパーで近所の方や仕事を一緒にやっているひととばったり出くわすことがある」という話を聞いていた。
実際、寿フードセンターで就業体験している間も、何人かの知人・友人に声をかけられた。
こういう距離感を、窮屈で億劫だと感じるか、あたたかいと感じるか。
どちらがいいとか、どう感じるかに正解があるわけではない。
少なくとも寿フードセンターは、見知らぬ誰かのためではなく、名前を知っている“あのひと”のためにあるもので、これからもそうあってほしいなと、勝手に思った。
文:立花実咲
写真:伊佐知美
(この記事は、北海道下川町《下川町産業活性化支援機構》と協働で製作する記事広告コンテンツです)
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この会社について
会社名:合資会社寿フードセンター
代表:夏野俊一
設立:1921年
住所:北海道上川郡下川町錦町4番地
電話番号:01655-4-2050
FAX:01655-4-4114
email:deai2050@amber.plala.or.jp
従業員:10名