2016年6月から展開した、EVERY DENIMと「灯台もと暮らし」が共同で運営するオンラインサロン「僕らの理想のデニムってなんだろう?」。作り手と受け手がともにデニムをつくる、新しいものづくりのあり方を模索してきました。

EVERY DENIMオンラインサロン

参考:【オンラインサロン・オープン】いま、僕らが本当に選びたい「理想」のデニムをつくろう──「EVERY DENIM」(エブリデニム)山脇耀平・島田舜介 × 鳥井弘文「灯台もと暮らし」

今年6月のこと、約15名のサロンメンバーと何度も話し合い、1年間かけて1本のデニム「Brilliant(ブリリアント)」が完成しました。これを記念してEVERY DENIM共同代表の山脇耀平さん、島田舜介さんと「灯台もと暮らし」鳥井弘文との鼎談を実施。

オンラインサロン発のものづくり、Brilliantにかける想いを振り返りながら、新たなチャレンジ──全国をめぐる移動型のデニム販売──まで話題は展開。

今、なぜクラウドファンディングで声をあげたのか? 彼らが考えるこれからのものづくりとは。

EVERY DENIM
写真左から、島田 舜介さん(弟)、山脇 耀平さん(兄)

鳥井弘文(以下、鳥井) オンラインサロン「僕らの理想のデニムってなんだろう?」を終えてみてどうでしたか?

島田舜介(以下、島田) そうですね。いやぁ、長かったですね。製品が完成するまでに1年かかりました。

山脇耀平(以下、山脇) (製品の)公開が6月でしたもんね。僕は純粋に楽しかったです。

完成した「Brilliant」に使ったこの生地は、初めて見たときから兄弟ふたりで惚れていたんですけど。最初は「もうちょっと時間が経ってから使おうか」みたいなことを話してたんです。でもサロンをやっていくに従って、なんで使うのを先延ばしにする必要があるんだろうって感じて。自分たちが気に入った生地があったら、もうそれでつくっちゃったほうがいいんだって思ったんですよ。

Brilliant
Brilliant

鳥井 なんでこの生地を使うのは、先伸ばしにしようと思ったんですか?

山脇 実際にこの生地がいいなと思った時に、コートを見てたんです。だから、冬物かなって。パンツに使おうっていう発想もそもそもあんまりなかったので。あとは、単純に生地単価が結構高いので(笑)。もうちょっとブランドの価値が上がってきてからかな、と勝手に思っていたりとか。

鳥井 今回それを使おうと思ったきっかけはなんだったんですか。

島田 具体的なきっかけは、今回はテーマが「僕らの理想のデニムってなんだろう?」で、山脇がずっとサロンメンバーの皆さんにガチンコヒアリングリレー(*1)をやってくれたんですよ。でも、結局はみんなの意見をちょっとずつ反映させたデニムをつくるんじゃなくて、僕らが自信を持って納得したものをつくろうと思いました。自分たちの納得が、サロンメンバーの納得に繋がるんだと理解したというか、僕たちに委ねるよみたいな関係性がサロンメンバーとできてきて。なので、今回自分たちが一番惚れ込んだこの生地を使おうと思いました。

(*1)ガチンコヒアリングリレー:EVERY DENIMの山脇耀平さんがオンラインサロンメンバーの一人ひとりとガチンコで理想のデニムについて論議する場。

鳥井 サロンメンバーの皆さんから後押しされた感覚はあったんですか?

島田 そうですね、後押ししてもらったっていう感覚はすごい強いですね。

鳥井 これまでにふたりで作ってるときは、少し迷いながらだった?

山脇 そうですね。この一年間を通して、自分が一番成長したのは、売り手としてのお客さんとの対応の仕方、距離感だと思ってて。オンラインサロンっていう形で、コミュニティの中での距離の近さとか、クローズドだからこそのものづくりとかを学びました。また、自分たちの活動でも、実際にイベントで販売して、お客さんの反応を見る中で、距離感ってすごい大事だなと。

実際に目の前の人に納得してもらうかどうかが大事なんだなというのを腑に落ちるようになって。

山脇耀平さん

鳥井 この1年のふたりの成長は、本当にすごかったですよね!横でずっと見ていて驚きました。

山脇 自分たち以外のひとにどう思われるかについては本当に考えるようになりましたね。僕がモノを売るっていう経験をしていなかったら、こんなにも意識することなかったと思うんですよ。最近、ブロガーのタクスズキさんがゴールデンウィークに来てくださって、デニムをお買い上げいただいて、Twitterにも書いてくださったんですけど、最終的に購入に至ったのはふたりの人柄だって。自分で言うのはあれなんですけど(笑)。

鳥井 いやいや、実際にそうですから。

山脇 ああいうのを言っていただく機会が増えて。大げさかもしれないですけど、日常の行動から、そのひとたちの期待を損ねないようにしようと思いますし、行動も変わってきますよね。

あと、デニムだからっていうのもあるかもしれないです。渡して終わりじゃないので。そこから長く履いてもらいたいと思うし、関係性をエブリデニムと築いてもらいたいと思ってるので。思い出とかを蓄積してもらう間に、僕らがブランドイメージを損なうようなことをしてしまったら、自分たちからお客さまに対して悲しいことをしてしまっているので、そういうことは絶対しないようにと思いますし。

鳥井 人柄を含めて買ってもらってるってことですよね。たぶん、今後ふたりが何か公序良俗に反するような犯罪を犯してしまったら、たぶんみんな履かなくなっちゃいます。でも普通のアパレルメーカーだったらそうじゃないじゃないですか。例えば、UNIQLOの柳井さんが何か不祥事を起こしたとしても、みんなUNIQLOを着なくなるかというと、きっとそうじゃない。

でも一方で、アイドルのグッズみたいに、このアイドルの商品だからどんな商品でも買うみたいなことでもない。ふたりの売り方は、そこが良いですよね。あと、この一年間ふたりを見てて、良い意味で自信がついたなって思いました。言葉を選ばずに言うと、良い感じに傲慢になってきたというか(笑)。

島田 特に山脇はね(笑)。

EVERY DENIMのお二人
写真左から、弟の島田舜介さん、兄の山脇耀平さん

鳥井 いや本当に山脇さんこの1年の変わりっぷりはすごかったです。

山脇 本当ですか!?

鳥井 自覚はあるんですか。

山脇 うーん、夏の経験とかは大きかったですね。オンラインサロンの中でも書いたんですけど、僕自身が控えめなことを考えたり発言しながら接客したりすることによって、逆にモノの価値を自分から落としにいっちゃてるなって経験があって。

それはすごい自分の中で大きかったです。何よりも自分が自信持って届けないといけないなっていうのはその時に痛感しました。あとは、いろいろときわどいことを言っても何も言い返されないという経験を積み重ねてきたからじゃないですかね(笑)。

鳥井 それは買い手の方もそうだし、工場の方とか、業界関係者の方々も含めて?

山脇 みんな心では思ってるかもしれないですけど、僕たちに響くほど言及してくるひとは、さすがにいない。それは裏返しで、自分たちのことをわかってくれる方々たちが増えてきて、僕たちも顔の見えるひとが増えてきたからだと思うんですよ。やっぱり、売り手としての経験が一番大きいですね。

鳥井 売り手の経験が一番大きいと言われれば、きっとそうだろうなあと思うんですけど、じゃあ実際にそれを経験できるかって言われると、他の仕事にかまけてしまってできないじゃないですか。ふたりはちゃんと足を運んで、相手と対面して売ってきたことが大きいですよね。

島田 確かに。順番として対面を先にしておいて良かったかもしれない。いきなり卸売とかやっていたら、めっちゃ売れていたとしても、よくわかんなかったかもしれない(笑)。

鳥井 そうですよね、実感が湧かないというか。履いてるひとの声がちゃんと届く嬉しさみたいなのもありますよね。買い手の喜びをダイレクトに見られるみたいなところ。ふたりと一緒にイベントをやったりすると、みんなエブリデニムを履いてきてくれるじゃないですか。あれは、毎回すごく羨ましいなって思います。すごく自信になるだろうなって。

僕らは実体のないコンテンツをつくっているので「読みました!」って言われても、なんだか実感が薄い。今、自分の目の前で読んでないですからね。でも、今(エブリデニムを)目の前で着てくれてるのは、すごく嬉しいだろうなぁって。

島田 それで言うと、ゴールデンウィークも恵比寿のマルシェに出店したんです。そうしたら、みんなエブリデニムを履いて遊びに来てくれて。でも、来てくれるのは嬉しいんですけが、買えるものはないんですよ。新製品出てないから。

山脇 あの現象は僕らもすごい面白くて。もう買ってるのに、挨拶だけ来るみたいな(笑)。エブリデニムが恵比寿のマルシェに出店しているみたいだからちょっと寄ってみようかみたいな感じで。初日なんて、ほぼそのお客さんでしたよ。缶コーヒーとかを持ってきてくれました(笑)。

鳥井 それは本当に嬉しいことですね。じゃあそんなお客さんたちに久しぶりに届けることができるBrilliant(ブリリアント)がやっと完成したわけですが、このデニムの特徴を具体的に教えてください。まず、こだわった点はなんですか?

スラックスタイプのデニム「Brilliant」ができるまで

Brilliant

山脇 はい、このデニムをつくる際に先ほども話にあがりましたが、僕がガチンコヒアリングリレーを行いました。夏くらいからサロンメンバー全員と僕が一人につき2時間くらいデニムに対するこだわりや、消費に対する考え方を聞いていきました。その中で出てきた意見が、毎日履けるものでありたい、なおかつ、可能な限りシーンを選ばないきれいなものであるっていうのは、みなさん口を揃えておっしゃってました。だから、方向性としては、ダメージ加工がしてあるような荒っぽい感じじゃなくてキレイめなものでいこうって決めたんですね。

そんな時、タイミングよくこのすごく上質な生地を手に入れることができて、これを活かそうという話になって。「これはデニムなの!?」ってパッと見で思うんですけど、それくらい振り切っていこうという話になりました。

島田 この生地も、ショーワさん(*2)がパリの展示会終わりでたまたま片付けてなくて、僕たちがアポなしで行ったときに、たまたま見つけたんです。なかなかパッと見でふたり揃っていいなって思うことってあまりないんですが、これはパッと見でふたりとも「わぁ!」と気に入ったのは初めてでした。

(*2)ショーワさん:株式会社ショーワ。風光明媚な瀬戸大橋のふもと、晴れの国岡山、倉敷市児島で織物を織っている会社。衣料用の綿織物を主につくっている。

そういう意味ではすごい生地と出会ったと思います。ショーワさんにもあれから何回かお聞きしてるんですけど、この生地はヨーロッパの方の高級ブティックとかしか使ってないみたいで。国内ではなかなか使うところが少ないって言ってました。

ショーワ
オンラインサロンによる工場・会社見学。岡山県児島にある株式会社ショーワにて

鳥井 それもやっぱり、ふたりがちゃんとショーワさんとの関係性をつくってきたからこそ使わせてもらえたということですね。

島田 そうなんです。あとは、そもそも信頼がないと生地を取っておいてもらうことも大変で。

鳥井 取り置きみたいなもんですもんね(笑)。でも、本当によく偶然アポなしで行きましたよね!

島田 いやあ、今でも忘れられないですよ。僕が運転してたんですかね、ショーワさんの特徴的な外観が、目についたんですよ。目について、ちょっと寄っとこかみたいな。

山脇 用事もないのに行くなよって僕は止めたんですよ。基本、野暮だと思っているんで(笑)。「やめとけよ、そんなの!」って言ったんですけど、島田は「こういう時に寄った方が喜ばれんねん!」みたいな。

EVERY DENIMのお二人

島田 僕がなんで寄りたかったかというと、兄は岡山に来る機会があまり多くないので。やっぱり工場の方と実際に会っておいてほしいというか、そういう気持ちも僕の中にはあったんです。彼はわかってなかったみたいですけど。

山脇 あはは(笑)。それで、強引に応接室に入ったら、この生地が置いてあったっていう。

島田 普通アパレルをやっているひとたちで、生地を見るためだけに行くブランドはないんですけどね。

鳥井 その時も、嫌な顔一つされなかったんですか?

島田 そうですね。オフィス遊びに来てよって言われてほんまに遊びに行って。「この子ら、マジで遊びに来たわ」みたいな。

鳥井 それがすごいですよね! その関係性ができあがってるんですもんね。ショーワさんにこの生地を使うって言った時には、どんな反応されましたか?

島田 びっくりしてましたね。国内でこの生地を使ってるところはホント少ないので。「生地値高いよ!」って言ってました(笑)。

鳥井 やめときな、とかはなかった?

山脇 やめときな、はなかったですね。やっぱり技術的にも、自分たちが工夫したユニークな商品が売れて、世の中に出て行くってほうがおもしろいというのは、ショーワさんも絶対思ってることなので。

島田 あとは、僕いろんな他の生地工場さんとかもお伺いするんですけど、やっぱりショーワさんってきれいめな薄い生地が強いんですよね。ショーワさんがそう思ってるのかわかんないですけど。だから、僕の中ではショーワさんの定番くらいの気持ちでこの生地を選んだんです。

EVERY DENIM・鳥井

鳥井 ぶっちゃけ、今だから話せるのですが、僕は最初不安だったんですよ。この生地にしようって決まった時。本当にこの生地がデニムになるのかな?って。よくこのスラックスタイプの形に落とし込めましたよね。エブリデニムでは今までスラックスタイプをつくったことがあるわけでもないですし、この薄い生地感を扱うのも初めてだったわけじゃないですか。いけるっていう自信は、最初からあったんですか?

島田 そうですね。それも工場さんとのコミュニケーションによるんですけど。普通のブランドさんって、直接縫製工場さんとパターンや仕様書を突き合わせて話し合って製品づくりはしないんです。でも、僕たちの縫ってもらった橋本被服さんっていうところは、絶対に打ち合わせをしないと縫ってくれないところなんですよ。

鳥井 へぇ、そうなんですね!

島田 仕様書だけ送ったところで、絶対に縫ってはくれなくて。ブランドの担当のひとと直接話さないと、つくらないという指針のある工場さんなんです。僕たちは服飾関係でやってきてるわけでもないし、細かい仕様の部分ってわからないこといっぱいあるんですけど、そんな工場なので、絶対に教えてもらえるだろうなという、安心感はありましたね。

鳥井 橋本被服さんを信頼できた、と。

島田 はい。毎回めっちゃ細かいところまで「ここどうすんねん!」って聞いてくるんですよ。実際に今回の生地を製品にするってなった時も、「この設計だったら、ここをもうちょっと短くしないと入んないよ」とか。型紙も変更したりしましたし、手で修正入れたり、つねに話し合いながら。

きちんと向き合ってやってくれる安心感がありました。僕も初めてパターンの型紙を手で切りましたもん、カッターで。でも途中でガタガタになって、橋本さんに電話して。「すいません、僕素人なのでやっぱきついです」って伝えて、すぐ持って行ったら、「もう、ほんまに!」みたいに呆れられるんですが、すぐにやってくれましたね。今回、この製品をつくるにあたって、すごく仲良くなれました。

鳥井 そのコミュニケーションがあったからこそ、できたものだってことですよね。でも今のものづくりって、そういうコミュニケーションがないがしろにされていて、つくるひととデザインするひとが完全に分離してしまっていますもんね。

島田 そうなんですよ。たまに雑談の方が多い日とかありますもん。雑談盛り上がりすぎて「あれ、今日何しに来たん?」って(笑)。

山脇 最近は仲良くなりすぎて、工場のひとをイジってるもんな。

鳥井 ええー!?

島田 はい、いじってます(笑)。今この「Brilliant」にはロゴの刺繍が入ってますけど、僕が見に行った時には、刺繍を入れずに縫っていたんですよ、途中まで。だから「あっ!」ってなって。「刺繍入れてって言うたやん!」みたいな(笑)。

お互い必ずミスはあるんですよ。それを許容しあえる仲の良さみたいな。次こっちも失敗する時が来るから、そのとき許してや、くらいの気持ちで。それで安くしろとかいう気持ちはまったくありません。

鳥井 確かに。普通だったらそこで安くしろとか、損害賠償だとか、ビジネス的な話になっちゃいますもんね。そこを許容しあえる関係性は素敵ですね。それが本来のあるべきものづくりの姿だと思います。デザイナーが偉くて、現場が末端だみたいな関係性は健全じゃない。

山脇 デザイナー側の言い分として「彼ら(職人)は自主的に考えないから」っていう風によく言うんですけど、でもそんなことはまったくないですよね。ちゃんとコミュニケーションを取ったら、100%のクオリティのために全力で改善してくれている。言葉に出さないですけど。職人さんは、そんな受動的な人間というわけでは決してない。

鳥井 ただ寡黙なだけなんですよね。でも、手で語らせたらすごいと。

EVERY DENIMのお二人

クラウドファンディングの醍醐味とは

EVERY DENIM_topImage

参考:キャラバンで「移動型販売」をしたい!デニム兄弟が新しい小売りにチャレンジします! – CAMPFIRE(キャンプファイヤー)

鳥井 最後にクラウドファンディングの話がしたいんですが、今回なぜクラウドファンディングに踏み切ったんですか?

山脇 自分たちが理想と思っていろいろ考えてきたことや、価値観の部分って、多くのひとに共有できるんじゃないかってことを、ヒアリングリレーを通じて思ったんですね。このデニムから、さっき僕がお話したような完成までのプロセスを理解してくれるひとは絶対もっとたくさんいるはずだと。その感情をみんなと共有し合いたいなという気持ちはありました。あと、僕たちエブリデニムという取り組みというか、ふたりに対しての投資みたいなものも、クラウドファンディングの方が出やすいかなと思ったので。

さらに、2年ぶり2度目のクラウドファンディングということもあって、自分たちがどれだけ変わったのか、どれだけ多くのひとたちに応援してもらえるようになったのかも知りたかったです。

鳥井 なるほど。あと裏事情としては、この生地を買うのにお金かかっちゃうからっていう理由もありましたよね。資本力のある大きなブランドしか使えない生地だったはずが、クラウドファンディングを使って先行受注型にすることによって、ふたりでやってるような小さなブランドでもこの生地を使ってデニムをつくることができると。

山脇 そうなんです。先に明確な理想やワクワクする形を提案して、それが共感されれば本当に形になるっていうのは、クラウドファンディングの最も素晴らしい醍醐味の一つですよね。それによって夢を描く人が増えたら、めっちゃおもしろいじゃないですか。そういう意味では、僕たちの場合はサンプルをひとつ作れるっていうのは強みですよね。

鳥井 ふたりはちゃんと自分たちでサンプルという、小さな現実をつくれているところが本当にいいですよね。「僕らの理想のデニムをつくりたいから300万円ください!」って何も存在しない段階で言っても、多分ほとんど応援してくれなくて。でも、こんな感じのサンプルができたんですけど、どうですか?って問うてくれたら、欲しくなるし応援したくなるみたいなところは絶対にあるから、やっぱりサンプルは大事ですよね。

山脇 はい。あと、伸びしろが見れるっておもしろくないですか? 鳥井さんも前にブログで書いていましたけど、成長段階のアーティストの80点の作品とか。伸びしろに期待できる消費観を持てると楽しいですよね。

鳥井 確かに。応援して育成したいという欲求は、ひとには必ずありますからね。完成されてるものもいいんですけど、それは楽しみようがないというか。

島田 野球で例えると、強いチームでペナント優勝するのは当たり前なんですよね。若手をいかにシーズンで育てつつ、うまく采配しながら優勝するのか、その時の喜びは全然違うと思うので。

鳥井 それでいうと、ふたりはその伸びしろが素晴らしいですよね、伸び率も凄まじいですし。

EVERY DENIM・鳥井

山脇 この1年間本当に鳥井さんにプロデュースされてる感がありました。

鳥井 いやいや、そんなことはないです。

山脇 でも、感覚的なところはすごくあって。変な意味ではなく、良い意味で。もっと兄弟が見えるようにしたほうがいいよとか、こういう雰囲気が合うとか合わないとか。トラックはエブリデニムに合うのかみたいな割と細かいところまで、客観的に見てくれたことが嬉しかったです。そんな感覚はなかった?

島田 ありました。ありましたけど、最初は「わぁ、鳥井さんだ」みたいな感じだったじゃないですか。初めてインタビューを受けた時とか。さっき、傲慢になってきたみたいな話ありましたけど、今は「鳥井さんがこう言うてるけど俺らは……」みたいに思っているフシもあります。

山脇 めっちゃ傲慢になってる(笑)。

島田 でも、それができるようになったのは嬉しいというか。もちろん尊敬はしてるんですけど。オンラインサロン通じて、こういう関係性になれたのは良かった。

鳥井 それは僕も本当に嬉しいです。最後一言ずつ、クラウドファンディングに向けた意気込みはありますか?

島田 いいものができた自信はすごくあるので、これをあとはどうみんなにわかってもらうかだと思っています。文字や写真だけじゃ伝わらない部分もあるので、リアルなイベントもたくさんやっていきたいですし、これができたストーリーもたくさん語っていきたい。自信を持ってみんなにお届けしたいなという気持ちがあるので、クラウドファンディングを通じてそれを実現できればいいなと思っています。

鳥井 兄はどうでしょう?

山脇 2年前のプロジェクトページとかをいま見てみると「だっさ!」って思うんですよ。それだけ自分たちがこの2年間でちゃんと成長したな、変われたなっていうことなんですけど。

「だっさ!」って思えるのも大事ですよね。2年後の自分たちも、今の自分たちのことを「だっさ!」って思うのかもしれないですけど、いま全力でやったことをきちんと残しておきたいとは思っています。

島田 前も精一杯やったもんね。プロジェクトページの写真づくりとかも。それでも今はダサいと思うっていうね(笑)。

鳥井 その時に全力を出し切った証拠ですよね。今回も、2年後から振り返った時の事を考えれば、正直怖さもあるじゃないですか。それでも全力でやりきることによって、2年後にもダサいと思いつつ、きっと必ず誇れるようになると思うし。そうやってドンドン成長していけることが一番良いですよね。今日は本当にどうもありがとうございました。

島田・山脇 ありがとうございました。

EVERY DENIM
山、海、都市、どこへでもデニムを届けに行きます(山脇・島田)

クラウドファンディング実施中

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