桜が咲き誇っていた頃は、あるひとは初々しく、またあるひとは意気揚々と、それぞれ春の宴を楽しむ人々の姿が見られましたが、桜の花の散る早さとともに宴会は減っていきます。

浮き足立った春は、その日のできごとに追いつくので精一杯。時に、周囲の忙しなさと不慣れな環境に飲み込まれそうになってしまいます。

そんな時、ふと目を落とすとアスファルトの隙間から、タンポポが一輪、咲いていました。

別離の春は心がざわざわすることも多いけれど、新しい環境、新しいひと、新しい自分との出会いの季節でもあります。

どんな場所であっても、スッと背筋を伸ばして咲くタンポポが、こんな道端に咲いていることにも気付けなかった日々をちょっぴり反省して、自分の本来の歩調を確かめながら、程よいペースを探ろうと思う、4月半ばです。

このお花のこと

名前:タンポポ(別名:ツヅミグサ)
種類:キク科タンポポ属
季節:3月~4月
花言葉:「別離」「神託」「真心の愛」